子どもの理科離れが深刻、というご相談をいただきました。
小学生の時は、わたしのような普通な女子でも、理科が好きでしたけど、いつの間にか理科が嫌いな科目になっちゃうみたいですね。
まさか、小学生や中学生で、技術者をしていても会社で偉くなれない、などとヨコシマな、いえ、堅実に考えて文系に進学することを決めるわけではないと思うのですが・・・。
仕事をしていると、子育て中の方から、“子どもを技術者に育てたい”というご相談を何度かいただくことがあります。そこで今日は、わたしなりに調べた結果を掲載してみたいと思います。
1.高校生の適正診断テスト
文系にすべきか、理系にすべきかは、高校1年生のときの適正診断テストで、決められてしまいます。
わたしの場合、理系しか無理、というほどにはっきりと適正値がでていました。
本当は小さいころからプロファイリングに興味があったので、心理学部に進学したかったのですが、ここですっぱりとあきらめました。この適正診断を参考にするしかなく、数学勝負の生物統計学で頑張っていこうと思いました。
進路をはっきりと意識するのは、高校生から
ちなみに、高校時代、となりの机の男子は、文系側の数字が高く、グラフも文系側に偏っていました。クラスのほとんどの人が文系に偏っていました。
理系に偏っていたのは、わずか数人で、その時ばかりは、わたしも含めて、なぜか女子にモテました。
なるほど、どっちかに必ずなるのか・・・と思ったのですが、前に座っていた男子は、文系・理系ともに適正値の数字が低く、なんじゃコレ・・・と思うようなグラフでした。
最終的には、寄り道しない大学進学がしたいので、どんなになりたい職業へのアプローチを考えていても、この適正診断テストで決まってしまいます。
高校生の適正診断は正しかったのか?
高校生の適正診断は確かに偏差値の上では正しいと思いました。でも、本人のやりたいことを無視する結果になることもあるので、そのあたりは教育者がどういう風に考えていくべきなのか、指針はないようです。
おそらく、高校側も進学率などをHPなどで掲載したいので、適正診断テストの結果を重視して、文系、理系、文理系に分けて教育したいところなのでしょう。
もっと早く適正診断診断したらどうなる?
もっと早い段階で、子どもの遺伝子検査のようなことをすれば、子どもの教育の効率化はできると思いますが、人間性がなくなっちゃうような気がします。
教育現場はジレンマが多い
あちらを立てれば・・・こちらが立たずの教育現場では、指導する側はきっと大変だと思います。
大人が考えていくよりも、主人公の“子ども”抜きで考えてはいけないような気もしますよね。
2.子どもの理科離れはどこから?
先ほど、チラっとご紹介しましたが、多くの子どもたちは、小学生くらいまで理科が好きなはずです。
小学生の低学年では、だいたい理科が好き
だいたい生き物が好きだから理科が好きになっているはずです。小学生の理科の教育は、生物が主体になっています。
中学受験でもしない限り、理科の教育は、野外実習などにいったりしながら、図工とあわせて植物を観察したり、地層をみにいったり、化石をみたり、もの知りしょうゆ館(キッコーマン社、野田市)などで微生物の発酵などを勉強しています。
中学生になると、だんだん理科離れに
中学生くらいになると、理科の先生や数学の先生が独特な雰囲気を持つ人が多くなってきます。中学あたりから、理科の先生にも、偏りがでてきます。中学生という多感な時期に、あわない先生にあたると、もういっぺんにその科目がキライになります。
わたしも大学では教育原理や視聴覚教育学という勉強もさせてもらえたので、わかったのですが、中学や高校の先生になる過程と小学生の先生になる過程は全然違います。
もしかして、子どもの理科離れは大人の責任かも・・・
中学・高校の先生になるには、他の文系科目や社会学などをしっかり学ばなくても、卒業時に先生になることはできます。
教員免許や学芸員の免許がほしくない学生の授業は、だいたい18時には終わります。教員免許や学芸員の免許がほしい学生は、20時くらいまで教育原理などの科目を勉強して、そこから卒業論文を書くために実験室に戻ります。
最終の課題の提出をしてみてわかりましたが、個人が得意な科目と不得意な科目があっても、教え方は本人に任されてしまいます。(もちろん課題を通すために、わたしだって得意な科目をベースにしましたよ。)
中学でも高校受験を控えての生活になりますし、高校でも大学受験を控えての生活になります。
結局、試験に受かるために何をするか、丸暗記が近道でしょう・・・ということで、嫌いな先生に教えてもらいながらのやらされ感たっぷりの勉強で疲れてくるようです。
理科離れは、考えるチカラをなくすのでは!?
結局、中学生あたりで理科離れがスタートし、大学受験という人生の大きな壁を乗り越えるための、公式の丸暗記の勉強法が、理科離れをおこしているのだと思います。
3.せっかく興味をもった子どもが理科を嫌いにならないために
小さいころから、“とにかく、自分でできる!”ということの実感が必要です。
他人から認められて、自己肯定型の人間になる
やらされ感ではなくて、自分の力で組み立てる、自分の力で調べ上げるということが必要です。
働いていると、小学校1年生から学童に入ります。他の学年や他のクラスの子どもがいるので、タテの教育にもなりますし、ヨコの教育もできます。ちょっと見学させてもらったのですが、野外学習も相変わらずしていました。家に帰って、おやつ食べたり、親ができる範囲の趣味を押し付けるするよりもずっと有意義かもしれません。
教育ママの熱意を子どもの学力以外に向くように気をそらすのは、どうなんですか?安倍首相!
親がおしつけて習い事をさせたり、勉強させたりしても、こころが育たないことがわかってきました。
そのことに気が付いた人が、ブログや本などで声を上げるようになり、“教育ママ”が、子どもの未来を奪っていることも指摘されつつあります。
塾通いは、なかなか疲れますが・・・
小学校4年生になると学童も卒業です。両親が共働きの場合は塾通いになります。
塾に行くようになると、だんだん夜型の生活になっていきます。
ただ、他の学校からも塾にやってくるので、学校での悩みは世界が変われば、考えなくてもよくなることがわかりますし、同じ位の年齢なのにいろいろ考えている他校の友人に感化され、自分の進路や将来のことを少しずつ意識していくのかもしれません。
夏休みは普段できないような体験ができると良いのですが・・・
特に夏休みは、夏休みの課題の一つとして、実験や観察が必要になりますが、塾で教えてもらうことができますので、こういうプロジェクトがあれば、トライする価値はあると思います。
もう一つ、今どきだからこそ、身に着けたい理科教育は、ロボット技術です。
これからの日本は労働人口が減り、特に観光などの産業も低迷しており、おまけに化石燃料なども豊富にありません。
↓大人のわたしでも興味を持って、話を聞き入てしまったロボット体験教室。結構本格的でした。
ロボットは、日本の労働に足りていない部分を補ってもらえ、その上、輸出が可能な成長分野です。
4.ロボット教室で理科好きを継続させる
ロボット教室の教室アドバイザーは、キロボやロビを考えた高橋智隆先生です。
キロボは、世界で初めて会話するロボット宇宙飛行士です。
年に数回イベントがあって、直接、科学者と会えるので、科学がぐっと身近になります。
多くの子どもには、近くに師匠がいないというハンデがあります。
学校の教育とは違い、できる子はステップアップしていきます。ステップは3つのコースがあって、もっとやりたいという子は上のレベルを目指していけます。みんなができるまで、待っててね~の間に別のことに興味がではじめたり、飽きたりして科学への興味が冷めていく時間なんて、ありません。
空間認識能力は、公務員試験にもありますが、学校の教科書やドリルでは学ぶことができません。理系の基礎力は、この空間認識能力にあるといわれています。
どこにでもある雑誌のおまけ程度ではありませんでした。教材は、オリジナルブロックを使います。
教材の内容もより専門的で体系的になっています。
こういう理科教室って、東京に限られていると思って、一度確認してみたのですが、全国に約600拠点があるそうです。
これからも増やしていくそうです。
これなら、近くのロボット教室で無理せずに学ぶことができます。
まずは、体験教室があるようですので、お試しください。
「ロボット教室」体験授業受付中
5.まとめ・ひとことコラム
高橋智隆先生の職業は、ロボットクリエーターです。
わたしの子ども時代には、ロボットクリエーターという職業は聞いたこともありませんでした。
これからは、今ある職業だけに目を向けずに新しい将来の夢、も必要だと思います。
新しい職業が続々と・・・
小学生のとき、将来の夢という作文を書きますが、書くことがないから、すぐ近くにいる“学校の先生”という職業にしてしまいがちです。
見守る&指導ってことなのかも
作文ができただけで満足させてはいけないと思いました。
掘り下げるきっかけを作るには、大人も広い世界を見る
“学校の先生”になるのであれば、どんな先生になるのか、どんなことを教えられるのか、近くにいる大人がもっと詳しく掘り下げるアドバイスをしていかなければいけないと思います。