赤いバラ

血管をつまりやすくする活性酸素


活性酸素は、脂質を古くして酸化させてしまいます。

血管の中で脂質の酸化が起こると、動きが悪くなるので、血管の壁にくっつきます。血管の壁にくっつくと、脂質が酸化された物質が血栓になります。血栓ができると代謝が悪くなるので、血管がもろくなったり、組織がもろくなったりします。

1.血管をもろくする活性酸素

血管がもろくなると、やがて血管が破れます。血管がもろくなり、血管が破れたのが脳で起こると脳梗塞や脳出血になります

活性酸素が、わたしたちの体の中の細胞膜に触れると、細胞が老化したり、遺伝子に触れるとがんを引き起こす原因になることがあります。

2.活性酸素はどうやってできるのか

わたしたちは呼吸をします。呼吸で取り込んだ酸素は、肺の毛細血管から、血の流れにのって腎臓に運ばれ、その後で全身に運ばれます。脳ではたくさんの酸素が必要です。酸素が足りなくなってきたときに、勉強や仕事に集中しようとするとあくびがでます。大きく口を開けて、酸素をたくさん取り込まなければ脳が働かないからです。

学校の生物学で習ったと思うのですが、ミトコンドリアという粒のようなところに、酸素を燃料にして、食べ物を燃焼させて、エネルギーに変えています。この酸素は、酸素原子とよばれているものが二つつながっていて、二つつながっているときは安定しています。何か条件がくわわると不安定な状態の酸素になってしまいます。

例えば、太陽の光から紫外線を浴びると、紫外線と酸素が触れて、酸素が不安定な状態になります。この不安定な状態の酸素が、活性酸素です。なので、酸素から活性酸素が作られています。

活性酸素のように不安定な状態でいると、安定した状態になりたいので、活動的になり、ときどき体にとっては”毒”になります。

3.活性酸素をつくらないヒント

活性酸素を必要以上につくらないためにも、紫外線に当たりすぎないように気をつけることも大切です。

また、たばこの煙には、ベンゾピレンという発がん性物質があります。このベンゾピレンが活性酸素をつくりますタバコの害の記事も読んでみてください(タバコの害:別の記事にジャンプします。)。

たばこの煙が肺に入ると、肺の中にはたくさんの酸素があるので、反応して、活性酸素にかわってしまいます。環境中にも活性酸素があります。車からでる排ガスが、環境中の酸素と反応して、活性酸素にかわってしまいます。

世界的に排気ガスは規制しようとしていますが、まずは個人的に余分な活性酸素をなるべく減らすようにすることが必要です。

4.活性酸素の役割・良い面

体の中では、必要な量の活性酸素がつくられています。活性酸素は悪いことをしているだけのようにみえますが、白血球でつくられた活性酸素は、外敵の細菌やウイルスなどの侵入に対して、防御して体を守っています。

ストレスは、活性酸素を壊す酵素の活性を減らしてしまいますので、毎日のストレスコントロールも大切です。

5.活性酸素を壊すビタミン

活性酸素を壊すのは、食品中のビタミンEという成分です。活性酸素を分解できると、脳梗塞や脳出血をはじめとする生活習慣病を予防することができます。またβカロテンやポリフェノールも、ビタミンEと同じように、体の中にある活性酸素を分解します()。

フルーツは、活性酸素を除去することでも有名です。ぶどうのポリフェノールが認知症予防になるというお話しがありますね。ぶどうはいろいろな種類があるので、お好みの味を探すのも楽しいですね。

さらにビタミンCも活性酸素で変化してしまった体内に働いて、もとに戻していく働きがありますので、活性酸素で受けたダメージをケアしてくれる成分です()。

6.まとめ・ひとことコラム

旬のフルーツには、たくさんの栄養が入っています。フルーツは体中でサビ取りのような役割をしていますよ。サプリメントでビタミンを補おうとする人がいるのですが、偏ったりしてしまうことがありますからご注意を。

    参考文献

  • (1)Renaod and Lorgeril, Lanet, 1992.

  • (2)Pryor, Academic Press, 1984.