亜熱帯や熱帯の100以上の国には、デング熱という病気があります。デング熱にかかると、熱が高くなり、インフルエンザのような症状になります。1回目は高熱、吐き気、腹痛、関節や筋肉の痛み、激しい頭痛が1週間くらい続き、最悪の場合は死亡することもあります。2回目にデング熱になると目や鼻、口などから出血がおこります。
デング熱をやっつけるためのワクチンも治療方法もまだありません。ただただ、デング熱にならないために、“蚊に刺されないようにすること”のみです。
- 目次
1.デング熱に関するニュース
2.デング熱の治療
3.デング熱の蚊がいそうな所
4.シマカと犬の話
5.蚊よけにもオシャレが必要な方へのおすすめ商品
6.世界の大学研究とわたしたちベースでできること
7.まとめ・ひとことコラム
1.デング熱に関するニュース
日本では2014年におよそ70年ぶりにデング熱になった方がいることが8月26日に発表されました。これまで海外に行ってデング熱になる人はいましたが、日本の中でだけ生活していてデング熱になった人を見つけたのは、はじめてだそうです。
2014年に騒がれた熱帯病、デング熱
追加で記載しますが、デング熱に感染した場所は、東京の代々木公園付近ではないか、と推測されているそうです。代々木公園は、原宿から歩いていける範囲です。東京のど真ん中で、熱帯病とよばれてきたデング熱に感染するなんてコワいですね。もっと情報収集が必要です。
外には蚊がいて当たり前と思うしかない・・・
おでかけには、虫よけ剤を使って蚊にさされないようにすることが大切です。
蚊よけスプレーはいいけど、ほかの生物への影響は・・・?
スプレーを吸い込んで、具合が悪くなることも・・・
スプレーを吸い込むことが心配という方には、ティッシュタイプの蚊よけが便利です。
2.デング熱の治療
デング熱の高熱から脳を守るために、高熱を下げるための治療が大切です。
3.デング熱の蚊がいそうな所
デング熱ウィルスが流行している地域でも、蚊の繁殖場所になっている水たまりをなくしたり、殺虫剤で蚊を殺したり、蚊帳(かや)や蚊よけグッズを使って蚊と人間が接触することをなるべく減らすだけです。
ところかまわず、蚊が生活範囲を広げます
室内でさされないようにするためには、蚊がいなくなるスプレーを置いておき、気になったらスプレーするということもいいでしょう。ただ、ボタンを押すときには周りにヒトやペットがいないことを確認して、なるべく大人が使用したほうがよさそうです。最近の住宅は密閉されているので寝室や子ども部屋での使用は控えるほうがいいかもしれません。
屋外・外出の時の蚊よけ
屋外で作業するときには、蚊取り線香を近くに置いておくと、蚊が近寄ってこなくなります。またある程度、煙が広がるので、周りの蚊も逃げていきます。
睡眠妨害のあの”プ~ン”音
夜に寝ている間に蚊にさされないための日本人の知恵、蚊帳。日本ではあまり見かけなくなったようですが、海外では人気のある商品です。最近は少し便利になった商品もあるようです。
4.シマカと犬の話
デング熱を人間にうつす蚊は、ネッタイシマカという名前の蚊です。シマカという名前なので、良く観察すると足や背中に模様がある白と黒の蚊です。
シマカの種類
ネッタイシマカは背中に2本の白いスジ模様があります。同じようにスジがある蚊では、日本に、ヒトスジシマカという蚊が住んでいます。犬にフィラリア症のもとになる糸のような寄生虫をうつすことで有名でした。
ワンちゃんの健康を気にしている方は・・・
今回は、犬のデング熱を心配するよりは、フィラリア症のために犬にも蚊よけをしてあげたほうがいいでしょう。
2014年のデング熱、結局どうなった?
2014年の今回、デング熱に感染してしまった方は、日本に住んでいるヒトスジシマカからデング熱が人にうつったと思われています。蚊はいろいろな病気を人にうつすので、蚊にはさされないように注意する必要がありそうです。
いろいろな種類の蚊
他にもコガタアカイエカなどいろいろな種類の蚊が日本には住んでいます。
コガタアカイエカは、日本脳炎という病気を人間にうつしますので、一つの蚊だけをやっつけるのではなくて、どんな蚊でも、蚊にはなるべくさされないようにすることが重要です。
ネッタイシマカは、昼間に人を刺しますし、“プーン”という蚊の音がしないので、ヒトがさされても気がつかないことがあるようです。そのため、昼間に活動しなくてはいけないときに蚊にさされてしまうことが多いようです。
ネッタイシマカはもともとはアフリカの森に住んでいました。アフリカに住む人が奴隷になった時代があります。そのとき、アフリカから人間と一緒に船にのって他の国にわたり、そこからどんどん広がったのではないかと言われています。
5.蚊よけにもオシャレが必要な方へのおすすめ商品
最近、蚊取り線香がオシャレになってきました。アロマタイプの蚊取り線香があって、あじさい、あさがお、りんどうのイメージ、グレープフルーツなどの果物のフレーバーなど、お香の代わりに使えそうな商品があるんです。お香を兼ねてリラックスしたい方やオシャレな蚊よけグッズをお求めの方にはおススメのアロマ蚊取り線香です。
かわいいアロマタイプの蚊取り線香
↓一般的な商品と比べて、少し小ぶりな蚊取り線香で、かわいらしいです。来客があるときにもおススメです。
洋服で蚊を寄せ付けない工夫
蚊は、黒、赤、青などの色のこい服によってくることがあります。蚊の季節には、白に近い淡い色のお洋服を羽織ってお出かけしましょう。
6.世界の大学研究とわたしたちベースでできること
蚊は、子どもを産むために哺乳類の血液を必要とします。ヒトスジシマカは、ヒト以外の血液も吸うので、デング熱をうつしにくいのですが、ネッタイシマカは主にヒトの血液を吸うので、デング熱をうつしやすいといわれています。
今こそ、最新研究が必要とされるとき
遺伝子組換え技術を使って、ネッタイシマカが飛ぶために必要な筋肉を壊す遺伝子を持つオスの蚊がメスとであい、生まれた子どもの蚊が飛ぶことができなくなるように研究している大学があります(1)。ネッタイシマカを全滅させてたくさんの人を苦しめるデング熱がなくかもしれません。
一応、ネッタイシマカも地球を構成する一員だったりします
でも、ネッタイシマカを全滅させることで、他の動物への影響がでるのではないか、自然をこわすかもしれない、という考えの人もいるので、新しい技術を使うことを反対して、うまくいっていません。
いろいろな意見があるから、正しい判断ができるはず
どちらが正しいのか、わかりません。いろいろな意見の人がいるので、話し合いでどちらかを説得し、お互いが納得できる方法をさがさなければなりません。
日本人なら、聞いただけでアレルギー反応しそうな“放射線”
他にもオスに放射線をあてて、昆虫の子どもが生まれないようにする方法もあるようですが、オスが弱っていてすぐに死んでしまうので、自然に離すことは難しいようです。
何でも適当な距離感が大切
今、わたしたちにできることは、蚊と人間の距離をおくためには、住んでいる家の周りに蚊が住みにくくすることが大切です。
何でも多様性が大切
蚊がいろいろな病気を人間にうつすことをきちんと教育できていない地域では、洗濯するために水をためたままにしたりする人がいるそうです。小さな水たまりなので、金魚やメダカもいません。魚がいないので、蚊の子ども・ボウフラがクネクネと泳いでいて、やがて蚊になって飛んでいきます。
日本で熱帯病をなくすためにできること
日本にいて、できることはどんなことがあるでしょうか。
ゴミを片付けることも大切です。空き缶の中には、水分や雨水がたまっているかもしれません。木の枝や落ち葉がたくさんあるところに雨がふり、水の流れが悪くて、そこにたまっているかもしれません。
7.まとめ・ひとことコラム
昆虫は新しい環境に慣れる天才です。人類が全滅してもゴキブリは生き残ると、言われますが、新しい環境を受け入れて住みにくい環境でも住めるように適応能力はものすごく高いようです。あの人はゴキブリのようにしぶとい!と言われるまでいかなくても、わたしたちも昆虫の環境適応能力を見習って、時代が変わっても守備よく、そしてしぶとく、生き残る準備をしなければならないかもしれませんね。
室内にこもっていても蚊にさされる
散歩で脳を活性化させたい方は、外出中に蚊にさされないよう、蚊よけグッズの活用や、長そで・長ズボンなど肌を保護できる準備、帽子などの準備をしていった方がよろしいかと思います。
デング熱の症状、軽度~重度まで
デング熱の症状ですが、眼の奥の痛み、手足が赤くなりかゆみがでる、高熱という症状です。乳幼児は、痛いとかかゆいとかうまく症状を伝えることができません。重症になりやすいので、体や額を触ってみて高熱がでているようでしたら、ずぐに医療機関を受診させ、症状が悪化しないように見守るようにしましょう。
最終更新日:2014年9月11日
- 参考文献
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(1)Valdez et al., Proc Natl. Acad. Sci. USA., 2011.