カラフルなビン

オリーブオイルとえごま油


DHAは、オイル・油です。魚の脂分に多く含まれているというお話しをしました。

健康によいことが発表されたのは、心筋梗塞で死んだ人のデータを解析したからです。食生活が違うデンマーク人とイヌイットを比較したのです。

    目次

1.心筋梗塞と食事
2.コレステロールのはなし
3.オリーブオイルと地中海
4.他のオイルのはなし
5.不飽和脂肪酸のはなし
6.まとめ・ひとことコラム

1.心筋梗塞と食事

心筋梗塞で死んだデンマーク人とイヌイットの人を比べると、デンマーク人が40人死んでいるのに、イヌイットはわずかに3人しか死んでいないことがわかりました()。

デンマークは豊かなイメージがありますが・・・

デンマークは酪農王国と呼ばれています。デンマークは、肉や乳製品を中心とする食生活ですが、イヌイットは、魚を中心とする食生活です。

食生活の違いは、接種する脂肪の違い

デンマーク人は飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪をたくさんとっているのにたいして、イヌイットは、不飽和脂肪酸という脂肪をたくさとっていることがわかりました。DHAとおなじように魚の油にはEPAが含まれていることがわかっているので、デンマーク人とイヌイットの血液にEPAがどのくらい入っているか調査したところ、イヌイットのEPAは、デンマーク人のおよそ15倍の量でした()。

2.コレステロールのはなし

飽和脂肪酸は、コレステロールの原料です。コレステロールは、現代人にととって悪者のような存在ですが、細胞の膜をつくったり、消化のための胆汁酸をつくる原料です。足りないと血管がもろくなるので、飽和脂肪酸の摂取量が少なくても、脳出血がおこることがわかっています。

脳は脂肪でできている!

脳の半分は、脂質でできています。それだけ油が脳にとっては大切です。実はDHAは、母乳中にも含まれており、母乳で育てた方が認知機能が高いという結果がでています。

コレステロールに善悪がある

コレステロールには、LDL(悪玉)とHDL(善玉)の二種類があります。どちらも体には必要です。LDLは肝臓中のコレステロールをいろいろな個所にとどける運搬屋ですし、HDLは、いろいろな個所から肝臓に戻す回収屋です。運んでばかりでは、コレステロールがたまってしまいますし、回収してばかりでは足りなくなって、ホルモンや細胞の膜が作れなくなってしまいます。

3.オリーブオイルと地中海

オリーブオイルをたくさん使って魚を食べる地中海式の食事、地中海食と呼ばれる食文化は認知症を半分に減らすことができるといわれています()。

オリーブオイルの選び方

オリーブオイルは、オレイン酸という不飽和脂肪酸の炭素の部分が1つだけ二重に結合しているものを一価不飽和脂肪酸を70%以上含んでいるといわれています。

ところで、オリーブオイルを買いに行くと、”エキストラ・ヴァージン”という言葉が書いてあるものがありますね。エキストラヴァージンのオリーブオイルは、ジュースのようにしぼった一番搾りの油です。精製という作業をしないので、ビタミンAやビタミンD、ビタミンEといった体にとってよい微量成分がそのまま溶け出していています。しかもエキストラヴァージンオイルは、酸化度がとても低い油です。

オリーブオイルは食べるだけではない

オリーブオイルを肌に塗ってスキンケアとして使う方もいるそうです。オリーブオイル専門店でやってみましたが、ベタついた感じはなくてサラッとしていました。すごく天気がいい日だったので、オイルをぬって外に出たら、こんがり焼けちゃうんじゃないかと思ったのですが、サンオイルではないので、焼けないとのことでした、わたくしの勘違い(笑)。

髪の毛にもオリーブオイル

ヘッドスパとして使う方法もあるようですから、髪染めの前に地肌に塗っておくと肌荒れせずにすむようです。顔のひたい部分は、顔用クリームをつければよいかもしれませんが、髪の地肌はノーマークでした。体調が良くないときは、髪染めをするとブチブチのようなしっしんができたり、頭がかゆくなったり、赤く炎症してしまったりするので、頭の地肌を保護するためによさそうです。

オリーブオイルを地肌に全体的にしみこませておけばいいので、保護クリームに比べて、簡単でいい使い方かもしれませんね。

オリーブオイル、わたしの場合

ちなみに、わたしは”エキストラ・ヴァージン”を生で食べるオリーブオイル加熱で食べるオリーブオイルとして、分けて買ってきます。生用はちょっとお値段が高かったりします。また時期とか季節によって、加熱調理の方が多いときには、量が多めの加熱用のエクストラヴァージン・オリーブオイルを買ってくるようにしています。
調理の方法によって分けた方が、やっぱり、お得なので・・・。

オリーブオイルは、炒め物に使うだけでなく、パンにしみこませて食べたり、サラダにかけて食べたりするとおいしいですね。比較的くせのないオリーブオイルを使えば、イタリアン風ではない食事にもあいます。最近ではヨーグルトにかけて食べる食べ方もあるそうです。



4.他のオイルのはなし

二つ以上の炭素の二重に結合している部分があるものを、多価不飽和脂肪酸と呼び、n-3タイプとn-6タイプに分けられます。

油の種類

例えば、ごま油100g中には、n-3タイプが0.31g、n-6タイプが40.88g含まれています。n-6タイプは、血液中のコレステロール量を減少させますが、摂りすぎてはHDL(善玉)コレステロールも一緒に減少してしまいます。

n-3タイプの油が多く含まれる食品は・・・

反対にn-3タイプは、えごまや魚の油に多く入っていて、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を減らす効果があります。

5.不飽和脂肪酸のはなし

不飽和脂肪酸で有名なDHAやEPA、オリーブオイルは、一価不飽和脂肪酸を多く含んでいるため、酸化しにくい特徴があります。酸化しにくい、ということは、血管の壁につまったりしにくいため、動脈硬化の予防が期待されています。最近では、ガン予防効果が期待されるようにもなってきました。

オリーブオイルの効果

また、オリーブオイルは、肝臓、すい臓など、内臓の働きを活発にしたり、油なので胃腸の粘膜を保護したりする作用もあります。胃にもたれにくいということで、いろいろな調理に使われるようです。

オリーブオイルは加熱でどのくらい、変質するの?

加熱したらオリーブオイルの成分が壊れてしまうのではないか、と最初はわたしも思っていたのですが、例えば220℃の温度で3分位加熱しても、成分の変化はなかったといいます。

200度を超える調理法はそんなにたくさんない

揚げ物になると220℃というかなりの高温にすることもあると思うのですが、普段の調理では、200℃以上にはならないので、もう少し長い時間炒めていても成分の変化が少なく、心配することもないでしょう。

スルリと、思わぬオリーブオイル効果も!

それと腸の働きにも良い作用があるそうですよ。便秘などでお悩みの方は、便をスルッと排出させる効果があるので、便秘解消に使っているといいます。

6.まとめ・ひとことコラム

食べ合わせで、栄養分の吸収がよくなったり、逆に悪くなったりもします。体によいとか、健康になるということで、それだけを食べ続けるのではなく、食品はバランスよく、できれば食生活を楽しくした方がいいでしょうね。

    参考文献

  • (1)Dierberg et al., Ann.J.Clin.Nutrition, 1975.

  • (2)Scarmeas et al., Arch Neurol., 2006.