キッチン道具

糖尿病は食事で注意


糖尿病の人は”太っている”と思われがちですが、間違いです。糖尿病の人は、たくさん食べるわりにやせています。また、水もたくさん飲んでいるはずなのに、喉が渇きやすいという症状があります。

糖尿病は、疲労やストレスにより症状が変わったり、体のバランスが崩れて症状が深刻化したりします。

1.糖尿病の初期

糖尿病は、すぐに深刻な状態になることもないので、あまくみられがちです。症状が軽いうちから、治療をしていけば、糖尿病そのものも、糖尿病の合併症も怖がる必要がありません。

働くヒトの健康診断はショック療法だったりして・・・

働くヒトは、1年に1回は健康診断をしていると思うのですが、このとき、血糖値が高いと、ショックを受けますでしょうか。
このショック療法は実はいいことかもしれません。

食べてストレスを解消したり、元気がないから食べて癒すということを見直す

食べたいだけ食べる食生活を見直したり、体を適度に動かしたり、自分に合ったリラックス方法をさがすなど、健康法をためせば、糖尿病はきっと予防できます

血糖値が高いということは、どういうことか

なので、マイナス面ばかりにとらわれず、血糖値が高い事を考えようによっては、よいこともあると前向きにとらえていくことができるように思考を変えていくことをおススメします。

2.疲れたら休めるヒトが長生きする

産業衛生の研究者とお話ししたことがあるのですが、“無理だと思ったら休む”ことができるヒトのほうが、長きができるのではないか、と言っていました。疲れると、すぐに胃腸が弱くなることが最初からわかっていれば、無理せず休むという選択を他の人よりも早くできるし、ヒトよりも体力がないとわかっていれば、どうしたらゴールまで体力を保てるのか工夫して毎日を過ごすしかありません。

そういうヒトは、他の人よりも自分で体をいたわることができるそうです。

病弱は最大に防御できているということ

なので、病弱だとか、病気になった、とかマイナス面だけを考えすぎずに、病気になったことで気づくこともたくさんあると、前向きにとらえていくほうがいいと思います。

3.ガンは余命がわかる病気

TVドラマなどで、よくガンを宣告されると絶望的な気持ちになるシーンがあります。ガンになったことで、今後の生活の準備する時間ができたと思うべきだというお医者さんがいらっしゃいます。事故などで突然、命を奪われてしまうと、会いたい人にあったりする上手な時間の使い方ができず、整理も準備もできないからだとおっしゃっていました。

ポジティブシンキングはよいことです

なんにでもポジティブ思考は大切なようです。

4.糖尿病の人の統計

糖尿病になったからといって、やりたいことができなくなったり、これまでのことがゼロになるわけではありません。

70歳以上になれば半分が糖尿病仲間

ちなみに70歳以上の40%が糖尿病と糖尿病の予備群の状態なんだそうです。

糖尿病になったら、できること・できないこと

糖尿病の患者さんには、”あらお気の毒”から、”好きなものが食べられないですね”とか、“一生、インスリンを打つんでしょ”というイメージがあると思います。

半分の人が糖尿病なのだから、だれでも糖尿病になる可能性があるということを忘れずに

でも、だいたい2人に1人は、糖尿病になるわけですから、だれでも糖尿病になる可能性はあるというわけです。

尿中の糖分を測ってモニタリング

尿中の糖分を測定するタニタ 電子尿糖計ユーチェック UG-120H

by Amazon (平成26年8月14日現在;11,285円でした)

5.糖尿病のタイプ

糖尿病には、いろいろな症状があります。

    糖尿病のタイプ

  • 冷たいものがすきで、たくさん飲み、大量に汗をかいたり、目が充血するタイプ
  • たくさん食べているのに、おなかがすきやすく、クチが渇いたり、苦くなったりするタイプ
  • 足腰がだるかったり、疲れが取れにくいタイプ

このように、同じ糖尿病でも、症状の出方が違っています。

6.糖尿病だった有名人

ところで、これまでの歴史上の有名人も実は糖尿病で苦しんできました。

藤原道長(966~1028)は、光源氏のモデルとなった人物ですが、糖尿病で苦しんでいました。明治維新で活躍した西郷隆盛(1828~1877)や、音楽のJバッハ(1685~1750)も糖尿病だったといわれています。

7.社会の拡大と一緒に増える糖尿病

小さいころから、食べても太れないという人で、結局は糖尿病だったという人もいます。つまり、年齢とは関係ない場合があります。

糖尿病は、社会の拡大と一緒に患者数が増えていきます。例えば、中国では日本の10倍、インドは日本の6倍、アメリカでは日本2倍ほどの人が糖尿病になってます。

8.糖尿病の予防のヒント

糖尿病は、他の病気と一緒に症状があらわれたり、のちには認知症になってしまうことがありますので()、早め早めの予防対策と治療をしていきましょう。

糖尿病の一番怖いところは、血管をもろくするところ

糖尿病になると、血管がもろくなるといわれています。そのため、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなり、脳梗塞が認知症リスクを高めてしまいます。

糖尿病は万病のモトかも・・・

また、糖尿病になると、免疫が弱くなり感染症にかかりやすくなったりします。

治療しないでいると、思わぬ深刻な症状に発展するのが、糖尿病

治療をせず放置すると、合併症になったり、失明したり、腎臓が悪くなって人工透析が必要になったりと深刻化します。尿糖計や、血糖値を測定する機械(通称、SMBG)というものが市販されているので、うまく活用すれば、糖尿病に早めに気がつくことができそうです。

SMBGの一例、血糖値を測定するグルテストエブリ

by Amazon (平成26年8月14日現在;8,000円でした)

食事療法が糖尿病の柱

食事療法は、糖尿病の治療の柱になっています。1日あたりの適正エネルギーを計算したり、体重をコントロールしたり、栄養のバランスを整えながら注意して献立を決めたりします。

栄養の知識がないと思ったら、必携の本を参考に・・・

食事をつくる人が、自分以外の家族のだれかだったりすると、めんどうに感じることもあるかもしれません。働いている間は、あまり気をつける時間もないかもしれません。さらに、もしも栄養の知識がない場合、どうしてよいかわからなくなってしまい悩んでしまうでしょう。

日本糖尿病学会は、“食品交換表”というものをつくっています。本もあるようなので、うまく活用できればと思います。

日本糖尿病学会が作成している糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版、972円です。

簡単に食事療法を試してみるなら、食べる順番を入れ替えるだけでも良い

簡単に食事療法をやってみるのであれば、食べる順番を入れ替えていく方法がいいでしょう。最初はサラダなど食物繊維をたくさんたべておき、肉や魚などのタンパク質をたべて、最後にご飯を食べていく方法です。小腸で糖分の吸収がおだやかになるような食べ方であり、満腹感が得られやすい食べ方ですので、食べ過ぎていた食事量を減らすことができ、体重のコントロールにつながります。

食べる順番を入れ替えと、なんと!懐石料理に!!

懐石料理のようなイメージです。ゆっくりと食事を楽しむように、食べ方を治す体験をしておくと良いと思います。

懐石料理でも、最後はフルーツですね。リンゴはジュースにするよりも、そのままかじって食べる方が胃を通過する時間が遅くなるため、腸で糖分がゆっくりと吸収できます。食べ方をかえるだけでよいとわかれば、糖尿病の治療に早く慣れることができそうですね。

9.まとめ・ひとことコラム

赤ワイン以外にブドウジュースが認知症予防になるというお話しをしましたが、糖分が気になる人は、緑茶が認知症予防にもなるそうです()。

    参考文献
  • (1)清原:福岡医誌、2006.

  • (2)kuriyama et al., Am.J.Clin.Nutr., 2006.