脂質が悪者になっていますが、ホルモンや細胞の膜をつくる原料になるので、食べなくてはいけません。でもオランダでは脂質をたくさん食べている人は、他の人にくらべて2倍もアルツハイマー病になることがわかりました(1)。
つまり、食事療法だけでなくて、ある程度の運動も必要ということです。
- 目次
- 1.ショックな事実
- 2.生活習慣病を防ぐには
- 3.生活習慣病予防グッズで運動を習慣化
- 4.運動を習慣化するためのウェアラブルとは
- 5.生活習慣病の脂質異常のはなし
- 6.生活習慣病の高血圧のはなし
- 7.生活習慣病の高血圧のはなし
- 8.まとめ・ひとことコラム
1.ショックな事実
ところで、みなさんは1年1回の健康診断は、活用できていそうでしょうか。エラそうなことを言っても、わたしもあまり活用できていないのが現状です。実はわたしの知り合いの方で、全ての生活習慣病で”不合格”判定がでている人がいます。趣味をしながら、治療に取り組まれているそうです。
そんなあなたとわたしとわたしの知人のために、過激なショック療法であえて情報をお伝えいたします。
なんと、高血圧、高脂血症(脂質異常)、肥満の三つがそろいますと、認知症になる確率は通常の人の6倍になります(2)。
ショックを受けましたでしょうか。
2.生活習慣病を防ぐには
生活習慣病は肥満をなんとかすれば、診断結果が改善に向かうでしょうし、認知症の予防もできそうです。ちなみに肥満の人は他の人に比べて認知症になる確率が2倍になるといわれています(3)。年齢を重ねている60歳以上では、肥満が死亡率をおしあげていることもわかっています(4)。
最近の健康診断でお腹を測るときの思考
最近では健康診断におなか回りを測定しています。わたしのウェストは、もっと上だと残念に思いながら、おへその中心を測られてしまいます。腰回りの骨が大きい人や大柄な人は、このウェストの値がどうしても大きい数字になってしまいます。
ウェストのサイズは目安
反対に、日本人には、小柄な人も多いので涼しい顔をしてクリアしてしまう方もいらっしゃると思います。ウェストのサイズは一つの目安だと思った方がよさそうです。大切なことは内臓脂肪面積の割合だと思いながら、健康診断をむかえましょう。
肥満解消が病気の予備軍を解消させているけど・・・
高血圧も高脂血症も、肥満を解消していけばいいことはわかっていますが、なかなか、難しいですよね。
わかっているけど、やめられない
3.生活習慣病予防グッズで運動を習慣化
いろいろな人からもらうアドバイス、運動をして習慣化しましょう。無理なアドバイスだと思います。
運動を習慣化できれば、いいのですが、楽しくなければなかなか続きません。それと楽しいと思えるには、明確に成功する姿を思い描けたときか、身近にうまくできている人がいて、アドバイスをくれたりしたときです。
1人でなんでもできるヒトは、肥満の悩みなんてない
つまり、楽しくなるためには、一人では無理で、コーチをしてくれる人がいなくてはいけません。
身近にコーチがいない
コーチは、わたしたちに目標地点を見せてくれます。この目指す地点がはっきりと見えてこないと運動なんてできません。しかし、現代人は忙しくて、自分専用のトレーナやコーチが必要ですが、お互いの予定にあわせることができるマイコーチを見つけることはとても難しいと思います。
コーチには人件費が必要
そこで、こんな商品を見つけました。心拍数と走行距離データを利用し、リアルタイムで音声コーチングしてくれる次世代型スポーツウォッチです。
マイコーチよ、モチベーションを上げておくれ!
このスポーツウォッチが、自分専用のマイコーチとなって、モチベーションを上げてくれるというわけです。
4.運動を習慣化するためのウェアラブルとは
健康意識が高まって、健康分野に参入する会社が増えています。スポーツウォッチのような機械を、総称して“ウェアラブル”といいます。
カタカナ語が多くなって、新しい言葉が増えました:ウェアラブル
ウェアラブルとは、ウェアラブルコンピュータのことで、“体の一部分につけて持ち歩くことができるコンピュータ”です。手首に時計変わりにまきつけて携帯できるようになっています。
5.生活習慣病の脂質異常のはなし
脂質異常を持たれている方で、高血圧や血糖値などの項目が合格となっている場合には、遺伝性の病気かもしれません。一度、再検査をしっかりしておき、遺伝子だからとあきらめずに、自分は他の人よりも脂質の代謝がちょっと違うという体質を受け入れて、ライフスタイルの見直しをしていきましょう。
ネズミでも学習能力が低下する
ちなみに、脂質の多い食事をさせたネズミは、学習能力が低下したことがわかりました(3)。脳内のゴミ物質がつくられる量が多くなったためです(5;6;7)。
悪者のコレステロールにも、良い一面がある
忘れないでほしいのですが、コレステロール、脂質は神経細胞が壊れたときに修復も担当しています。わたしたちの体を守る役割ができないまでに脂質を悪者にしないことも大切です。このため、70歳過ぎてから脂質がやや高めの人(200~250 mg/dl)は、長生きができるともいわれています。
6.生活習慣病の糖尿病のはなし
糖尿病と糖尿病予備群の人も安心してはいられません。糖尿病と糖尿病予備群の人は、他の人と比べてアルツハイマー病や認知症になる確率が3倍になりました(8)。
7.生活習慣病の高血圧のはなし
高血圧の人が将来に、認知症になる確率が他の人の2倍になるといわれています(9)。
いずれにしても、生活習慣病は、わたしたちのアルツハイマー病と認知症になる可能性を押し上げているようです(10)。
8.まとめ・ひとことコラム
こんな風にして、生活習慣病と生活習慣病予備群のわたしたちには、他の人よりも認知症になる確率が高くなっていることを忘れて生活していると、後で恐ろしい目にあいそうです。なんだか、アリとキリギリスのお話しのような気がします。
絵本は、どの世代にもやさしい脳トレ・健康グッズ
絵本が認知症の症状を緩和する効果があるというお話しをしましたが、覚えていらっしゃいますでしょうか。
現代版、アリとキリギリス
アリとキリギリスのお話しは、子ども向けに努力を惜しむことなく、将来のために勉強したり努力していくとこが大切だということを教えてくれていますが、どうも大人向けには、健康な未来のためには、今の生活でも努力が必要だという教訓になっているような気がしています。
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- 参考文献
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(1)kalmijn, J.Nutr.Health, 2000.
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(2)Kivipelto et al, Arch.Nerol., 2005.
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(3)Chiang et al., Am.J.Geriatr Psychiatry 2007.
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(4)Newman et al., JAMA, 2006.
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(5)Ho et al., FASEBJ, 2004.
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(6)Lim et al., J.Neurisci., 2005.
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(7)Refolo et al. Neurobiol.Dis., 2000.
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(8)谷崎ら、アンチエイジング医学、2008.
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(9)Hebert et al., Stroke 2000.
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(10)Vanhanen et al., Neurology 2006.