散歩は脳を休ませることができて、運動にもなります。本人が気が向いたときに一緒に近所を一回りするのもいいかもしれませんね。
一緒にお出かけしたり、日常を過ごすときに注意点があります。
介護・支援者の接し方で、お年寄りに対して”赤ちゃん言葉”を使うことはよくないことがわかっています。
1.高齢者の尊重でうまくいく
“高齢者の尊重”が大切で、日本がこれまで大切にしてきた文化です。沖縄では”高齢者の尊重”の文化がまだ根付いたままなので、本人もよい雰囲気で過ごすことができるようです。
認知症の人は、他の人の表情や言葉にも敏感になることがあります。ムスっとして見えるときは、たいてい”イラついた”ときなのです。
2.赤ちゃん言葉は使わない
赤ちゃん言葉はやさしい言葉ではありません。やさしい言葉やわかりやすい言葉を選んで話すことが大切ですが、それは決して”赤ちゃん言葉”なんかではありません。
3.頭のいい人も認知症になります
レーガン大統領は、自分が認知症患者であることをカミングアウトしました。レーガン大統領のように、頭のよいひとでも認知症になるのですから、だれでもなるかもしれない脳の病気だということを覚えておきましょう。
4.認知症の公表は慎重に
公表することがいいことだらけではありません。もし、自分が何か長期で治療しなければならない病気になったら、世界中の人に公表しますか。
いまだに偏見がある世の中です。また、振り込め詐欺などに狙われるかもしれません。
孤立することをさけながら、信用できるヒトだけに病気のことをお話しするようにしましょう。
5.まとめ・ひとことコラム
先日、踏切に進入してしまった方が事故をおこし、交通機関から介護・支援者に損害賠償を請求されてしまいました(1)。この判断に対して、多くの支援者は間違っているのではないか、と思っているようです(2)。
何かしなければならないと頭に引っかかっていることがあるのかも・・・
本人が、どうしても外出したいときもあるのかもしれません。気分転換がてら、一緒に近所を歩いてみると、運動になって、ゆっくりとお休みいただけるかもしれませんね。
散歩は心と体を健康に・・・
健康な人でも、散歩は脳を休ませることにつながっています。
- 参考文献
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(1)遺族に賠償命令 波紋呼ぶ;東京新聞、2013年8月29日.
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(2)認知症者の鉄道事故に関する声明;日本神経学会・日本神経治療学会・日本認知症学会・日本老年医学会・日本老年精神医学会、2014年4月10日.